事業活動報告

事業環境におけるリスクと機会

リスク

・生活防衛意識の高まりに伴う個人消費の鈍化

・感染症リスクに起因する景気後退

・インバウンド需要の減少

・中国経済の減速による市場の縮小

・業種・業態を超えた競争の激化

機会

・5Gサービス関連機器の需要増大

・テレワーク拡大に伴う関連機器、サービス需要の増大

・さまざまな製品・サービスによるトータルな住空間の提案

・住宅リフォーム市場の拡大

・インターネット販売の拡大

事業概要

ヤマダホールディングスグループは主力の家電販売事業を通じて、質の高い製品と多様なサービスを提供し、お客様の豊かな生活と利便性の向上に貢献しています。近年は家電と親和性の高い住宅、リフォーム、住宅設備機器、住空間の家具雑貨関連の提案に加え、金融・不動産サービス等が一体となった「暮らしまるごと」のコンセプトに基づく各種事業を展開しています。日本全国に都市型店舗から郊外型店舗、地域密着型店舗までお客様の多様なニーズに対応できる店舗ネットワークを持つ強みを活かすとともに、インターネット販売との融合や、SPA(製造小売)商品の開発強化等にも取り組んでいます。2019年10月には、利益率改善を重視する支社長制度の導入を行いました。今後も社会の変容に合わせてヤマダホールディングスグループの経営資源を最大限に活かした取り組みを積極的に行い、持続的な成長と企業価値の向上に尽力していきます。

収益の状況

2020年3月期は、頻発した自然災害や消費増税に伴う反動減による一時的な影響を受けつつも総じて堅調に推移しました。中でも主力の家電流通業界において、消費増税に伴う駆け込み需要を背景に、テレビや冷蔵庫、洗濯機等の高単価商品を中心に好調に推移。またパソコン等のデジタル機器も買い替え需要が好調に推移しました。これを受け2020年3月期の連結決算は、前期を上回る売上高1兆6,115億円、営業利益383億円、経常利益460億円、親会社株主に帰属する当期純利益246億円となりました。

家電セグメント/関係会社家電セグメント

2020年3月期の主な取り組み

2019年10月の消費増税後の個人消費の急激な鈍化が予測される中、家電販売事業ではよりスピード感をもって事業の強化を果たすべく新しい収益モデルへの改革を推進しました。具体的には、2018年度より着手した「セルアウト重視による在庫適正化」に継続して取り組み、利益率の改善に努めました。加えて、家電をコアに生活インフラとしての「暮らしまるごと」の提案を軸とした販売へのシフトを図り、その強化の一環として株式会社大塚家具の子会社化を実現しました。

01 大塚家具の子会社化

「暮らしまるごと」提案の強化に向け、2019年12月に家具販売のノウハウに優れた大塚家具を子会社化しました。2020年2月には、既存4店舗のリニューアルに合わせ、大塚家具とのコラボレーションによるライフスタイル提案型の売場展開をスタート。3月には大塚家具店舗でも家電製品の取り扱いを始めました。今後も互いの強みを活かしたシナジーの発揮に向け、さらなる展開を模索していきます。

02 新シリーズのデザイン家電「SERIENOIR」

当社オリジナルのSPA(製造小売)商品「YAMADA SELECT」に、機能性とデザイン性を両立させたこだわりのデザイン家電シリーズ「SERIE NOIR」が誕生。2020年1月に発売したシリーズ第一弾は、「Cooking Pot(グリル鍋)」「Hot Plate mini(A4サイズホットプレート)」「Cooking Pot mini(ミニ グリル鍋)」の3モデルで、いずれもキッチン・ダイニングに溶け込む上質なデザインと高い機能性が特長です。今後も同シリーズの拡充を図るとともに、家電の枠を超えたSPA商品の開発を進めていきます。

2021年3月期の課題と展望

新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響によるインバウンド需要の減少、生活防衛意識の高まりによる消費者行動の変化等により、厳しい状況が予想されます。こうした状況のもと、家電セグメントは継続した改革による利益率改善を目指します。また既存店においてはヤマダデンキと大塚家具の両店舗における家電と家具・インテリアを組み合わせたシーン提案の推進によりシナジー効果の発揮を目指すほか、SPA商品の開発強化、新型コロナウイルス感染症の影響により、不要不急の外出自粛のための巣ごもりを楽しく、快適に過ごすための提案を行っていきます。加えて、インターネットと店舗が融合した最新型店舗「YAMADA web.com」店舗の拡大を図ります。

住宅セグメント

2020年3月期の主な取り組み

台風等頻発した自然災害の影響で工期遅れが発生したほか、消費増税後の反動減の影響がリフォーム部門で大きく出る等、厳しい事業環境が継続しました。その中で事業グループ再編によるシナジー効果を最大化させるべく取り組みを行ってまいりました。また2020年3月には、「暮らしまるごと」提案の強化として、株式会社ナックの住宅事業の中核会社であり、全国で注文住宅事業を展開する株式会社レオハウス(現:ヤマダレオハウス)の子会社化を発表しました。

01 レオハウスの子会社化

2020年5月に子会社化が完了したヤマダレオハウスは、「人生を豊かにする家づくりを、ご一緒に。」を掲げ、自由設計・注文住宅に強みを持つハウスメーカーです。オリコン顧客満足度ランキングにおいて、評価項目「金額の納得感」を3年連続(2016~2018年)で第1位を受賞する等オーダーメイドの満足を提供しており、ヤマダホールディングスグループが推進する「暮らしまるごと」戦略とのシナジー効果の創出に期待ができます。

02 家守りホールディングスの子会社化

2019年2月、新築住宅の品質検査から既存住宅の点検・メンテナンス、住宅ローンの切り替え提案等住まいに関するサービスを幅広く手掛ける家守りホールディングスと資本業務提携を締結および株式を取得し、子会社化しました。15万戸以上という家守りホールディングスの豊富な検査実績を活かしてリフォームの潜在需要の掘り起こしを図るほか、ヤマダホールディングスグループのネットワークを効果的に活用しながら、消費者ニーズにきめ細やかに対応するさまざまなサービスを展開していきます。

2021年3月期の課題と展望

 近年、新設住宅着工戸数は減少傾向にありますが、中長期的にはリフォーム市場は堅調な推移を見込んでいます。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響で雇用や景気の先行き不安で住宅購入を手控える動きが出ており、厳しい事業環境が継続することが予測されます。住宅セグメントでは、前期に引き続き「暮らしまるごと」提案のさらなる推進を図るべく、当社グループならではのトータルな対応力を活用したサービスの提供・提案を目指します。加えて「災害に強い」をコンセプトに掲げた長期優良住宅の推進や、レオハウスの子会社化を含めたスケールメリット等を活かし、住宅セグメントの規模拡大を図っていきます。

金融セグメント

2020年3月期の主な取り組みと今後の展望

ヤマダホールディングスグループの成長戦略の柱である「提案型販売」を推進するために金融事業の自社化は必須であり、各種金融商品開発・販売およびそれを実践するための組織づくり、資格取得に取り組んでいます。「皆様の夢の実現のパートナー」を目指しスピード感を持って実践してまいります。昨年度の各金融事業のトピックスは下記の通りです。

1 住宅ローン事業:フラット35実行累計1,300件・融資額400億円超過

2 リフォームローン事業:延利用者15千件超過・大塚家具販売にも利用開始

3 損保事業:自然災害に備える業界初の「ヤマダの災害安心保険」販売開始

4 保険代理店事業:ファイナンシャル・プランナー(FP)自社化(100名体制)により ライフプラン提案を全国展開

5 クレジット事業:「即時発行」・「36回無金利分割」開始で顧客利便性を向上

6 不動産事業:株式会社センチュリー21ジャパンと提携し全国出店を加速

今後も金融セグメント各社の体制整備を急ぎつつ、事業拡大の道筋を模索していきます。

環境資源開発セグメント

2020年3月期の主な取り組みと今後の展望

リユース事業においては、ヤマダホールディングスグループの家電小売店舗における買い取りが思うように進まず、リユース台数が減少しました。今後はリユース品の買い取り強化に向けて、店舗接客端末(T-POS)に買い取り査定機能を実装するほか、お客様のご自宅への製品配送時に不用品の確認に努め、買い取り査定サービスを行うといった対策を講じます。リサイクル事業においては、既存設備の増強に向けて、許認可取得等を含めて準備を進めました。また2020年3月、当社グループにおいてリユース、リサイクルを主な事業とする「株式会社ヤマダ環境資源開発ホールディングス」を設立。今後は環境資源開発セグメントとして、事業拡大や新たな事業展開のサポートを担っていきます。

サービスセグメント

2020年3月期の主な取り組みと今後の展望

2020年3月期、サービスセグメントの売上高は順調に推移しました。トレーディング事業においては、株式会社ヤマダホームズと連携して災害に強い家「NEXIS」の標準装備の設定を行い、各装備品の搭載率向上に取り組みました。2020年を迎えて世界的に蔓延した新型コロナウイルス感染症の影響により、建築資材や住宅設備機器等の欠品や納期遅延が発生し実績が減少しましたが、新規商材の受注・販売を開始したことにより影響は軽微なものとなっていますがフード事業や旅行会社等のサービス事業が苦戦を強いられ、今後も厳しい事業環境が見込まれます。対策として、従来の商品群にとらわれない新規売上の柱を構築し、事業の安定・向上を図っていきます。