廃棄物削減と資源循環

 ヤマダホールディングスグループでは、環境方針に則りお客様から回収した使用済み家電をリユース・リサイクルする仕組みを構築し、製品ライフサイクルをグループ内で完結することで、社会全体の環境負荷低減に貢献しています。

リユース・リサイクル循環図

廃棄物削減に向けた取り組み

 ヤマダデンキでは、店舗から排出される廃棄物に加え、お客様から引き取った家電リサイクル法対象外の廃家電を、対象法令に基づき適切に処理しています。具体的には、店頭で引き取った家電をリユース・リサイクル・廃棄の3つに分類し、当社で定めている基準を満たした製品は、リユース工場にてリユース商品として再生し、ヤマダのアウトレット・リユース店などで販売しています。なお、リユース基準外で、かつ、リサイクル対象品は、リサイクル工場で高度分別を行ったうえで、鉄・アルミ・ステンレスなどの単一素材に分別し、さまざまな製品の原料として再利用しています。廃棄物は、社外のリサイクル業者に委託し、リサイクル処理を行い、リサイクルできない製品は最終処分をしています。また、住建セグメントでは木材を事前に工場で加工しておくことで、資源利用の効率化を図っています。建築現場から排出される梱包材や廃材をはじめとした産業廃棄物の削減も行っています。今後も、高度な選別機能を持った機械の導入やシステム構築などを通じ、リユース・リサイクルできる製品を増やし、廃棄物の削減につなげていきます。

産業廃棄物排出量

産業廃棄物排出量

3Rの取り組み

 ヤマダ環境資源開発ホールディングスでは、家電製品を中心とした「リユース」、「廃棄物の減容と適正処理(リサイクル)」、「再資源化素材の活用」の事業を行っています。使用済み製品を効率的に回収し、可能な限りリユースして再商品化し、お客様へお届けしています。また、リユースできない製品は徹底的にリサイクルし、再資源化素材を新たな製品の原材料として活用しています。

●リユース

 ヤマダホールディングスグループでは家電のリユースについて、環境資源開発事業を展開するシー・アイ・シーを中心に、良品の買い取りから再商品化と販売まで、一貫したリユース家電の流通網を構築しています。リユースセンターで厳密な機能チェックやクリーニング、修理を行い、さらに販売時に最大24カ月間の保証を付帯するなど、お客様にリユース家電を安心してご購入いただけるサービスを提供しています。
 2022年5月にはリユース製品の生産台数増加を目的として群馬県に新工場を増設しました。新工場には各地から送られてきたさまざまな使用済み家電を保管する自動倉庫や、洗濯機ドラムの自動洗浄機などを導入。さらに、目標である2026年3月期300,000台生産に向けて、2024年7月に山口工場を着工しました。また、パソコンリユースは、インバースネットが中古パソコンを再商品化しています。今後も高度な技術力を活用し、リユース台数の向上を目指します。

ヤマダ東日本リユースセンター群馬工場 新工場

家電4品目(テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン)とパソコンのリユース台数

リユース台数 リユース台数
リユース台数

●廃棄物の減容と適正処理(リサイクル)

 ヤマダデンキでは、使用済み小型電子機器などの再資源化の促進に関する法律(小型家電リサイクル法※)に基づき、店舗での使用済み小型家電の回収を実施しています。店頭で回収された使用済み小型家電はグループ内(東金属)で精度の高い機械によって選別され、プラスチックや金属など素材ごとに緻密に分類し、再資源化されています。2024年7月には群馬県に新たなリサイクル工場を竣工しました。今後もグループ一体となった資源循環の取り組みを推進していきます。

※ 家電リサイクル法対象の家電4品目(テレビ、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機)を除く電気機械器具を、国の認定を受けた事業者が回収・処理を行うことで、循環型社会の形成を促進する法律

使用済み小型家電リサイクルフロー

使用済み小型家電リサイクルフロー

小型家電の入荷重量とリサイクル率

小型家電の入荷重量とリサイクル率

●再資源化素材の活用

 お客様から引き取った使用済み家電をリユースして再商品化するとともに、リサイクルを行って再資源化された素材を活用した環境配慮型製品の開発・販売を行っています。再資源化したプラスチック素材を活用した買い物かごやリユース工場のパレット、小物家電の持ち帰り用取っ手などを導入し、サステナブルな取り組みにつなげています。今後は、住宅などさまざまな分野への商品の開発・販売を目指していきます。

リユース藤岡工場のパレット

リユース藤岡工場のパレット

インクカートリッジのリサイクル

 ヤマダデンキの各店舗のインクカートリッジの回収BOXから回収した、再利用可能な使用済みインクカートリッジ1個に対し、10円を寄付する活動を行っています。2024年3月期は約79万個のインクカートリッジを回収、8,341,490円を公益財団法人交通遺児等育成基金へ寄付しました。また、その回収、販売によるCO2抑制量は60tになります。

インクカートリッジ回収個数

インクカートリッジ回収個数

電子棚札の導入による紙・インク削減

 ヤマダデンキでは、2020年2月からデジタル家電の商品に対する電子棚札(電子プライス)を導入しています。電子プライス化することで、紙やインクの使用量の削減だけでなく、在庫管理の効率化や社員の業務負担軽減にもつながっています。

電子棚札の導入による紙・インク削減

電子プライス

水資源の保全

 当社グループでは、環境事業のリユースの過程で消費する水処理を適切に行い、再利用などを通じた水使用量削減とともに、水資源の保全に努めています。リユース生産工場では、年間約30,000m3の水を消費しています。洗濯槽自動洗浄機では洗剤などを使用せず、温水をろ過したうえで再利用する循環型を採用しています。冷蔵庫の除菌には次亜塩素酸水を使用し、環境負荷低減に努めています。引き続き、水資源への取り組みを通して、生物多様性を保全するよう自然環境の維持管理に努めます。

社会要請に応える環境配慮型浄化槽の開発・普及・保守

 住宅設備機器ならびに環境設備機器を基盤事業のひとつに据えるハウステックは、水環境ビジネスに取り組み、浄化槽の開発・販売に注力しています。日本では下水道予定処理区域を除いて住宅の新築に際して浄化槽の設置が法律で定められ、トイレの汚水のみを扱う単独型、台所や風呂なども含めた生活排水全般を処理する合併型の浄化槽が普及してきました。2020年施行の改正浄化槽法では既設の単独型浄化槽について合併型への転換が促されました。ハウステックが開発した合併浄化槽では、単独浄化槽からの置き換えを想定し省スペース化を実現しました。省エネ設計に加え、軽量で非常に耐久性の高いDCPD樹脂を採用しており、地震などの災害にも強くさまざまな場所での導入実績があります。また、当社グループ企業である日化メンテナンスや中部日化サービスが浄化槽の保守点検や設置に携わり、お客様の住環境をサポートしています。引き続き、環境配慮型浄化槽の開発・普及・保守に尽力し、水環境のさらなる向上を目指すことで、水保全を通じた生物多様性への取り組みを推進していきます。

※DCPD:ジシクロペンタジエン

合併処理浄化槽ハイパッキーKRS型