多様な人材の育成・活躍

人材育成

 ヤマダホールディングスグループは、「くらしまるごと」戦略の推進に伴う製品・サービスの広がりや、将来的な事業領域の拡大を踏まえ、お客様の幅広いニーズに対応できる能力を持った人材の確保に努めています。

 人材育成面では、先の予測が困難な今の時代に合った教育制度への再構築を図るべく、「自律型組織・自律型人材の育成教育」をテーマに掲げています。従来のテクニカルスキル(業務遂行能力)を中心とした教育に加えて、ヒューマンスキル(人間力)やコンセプチュアルスキル(概念化能力)を重視した教育を施すことで、人・組織を育てチームで成果を上げる人材や、経験や情報を基に論理的に判断・学習し、業務の合理化・効率化を推進できる人材の育成を目指します。

 具体的には階層別研修の計画的実施に加え、従業員満足度調査に基づいた具体的施策の充実を図ることで、教育・育成内容を充実させ、優秀な人材の継続的な確保につなげていきます。

1人当たりの平均研修時間の実績

新卒採用

 2023年4月、ヤマダホールディングスグループで749名の新卒学生の採用を行い、組織の活性化を図りました。当社グループでは、家電・家具・リフォームなどの製品とサービスの拡大に伴い、幅広いお客様のニーズに対応できる能力を持った人材の採用を進めるとともに、若い新たな人材の育成に努めています。今後も、新規事業に対応した人材、本社業務の強化を目的としたシステムなどの専門的な知識を持った人材の採用に取り組んでいきます。

正社員登用制度

 ヤマダホールディングスおよびヤマダデンキでは、社内有資格制度などとの連携により、非正規社員・契約社員の正社員登用制度を設けています。

階層別教育

 ヤマダホールディングスおよびヤマダデンキの「自らが考え、実践行動できる人材の育成~基礎であるOS部分(意識、マインド)のバージョンアップ~」を教育テーマに掲げ、階層別教育を行っています。

階層別教育体系

階層 パート 一般 専門職 課長クラス 部長クラス
求められるスキル •新鮮な視点
•提案力
•コミュニケーション力
•キャリアデザイン
•習慣化
•自立・自律・自責
•ビジネスマナー
•ビジネスマナー
•コミュニケーション力
•ヒアリングスキル
•質問力
•タイムマネジメント
•メンタルタフネス
•視野の拡大
•主体性
•プロフェッショナルな仕事
•営業効率の向上
•問題解決力
•後輩指導
•リーダーシップ
•チームビルディング
•モチベーションマネジメント
•ティーチング
•コーチング
•フォロアーシップ
•セルフマネジメント
•貢献力
•提案力
•部下指導
•問題解決力
•リーダーシップ
•チームビルディング
•モチベーションマネジメント
•ティーチング
•コーチング
•フォロアーシップ
•業務マネジメント
•育成マネジメント
•未来創造
•分析手法
•方向性を導く
•意思決定力
•経営リテラシー
•財務管理力
研修
コンセプチュアルスキル
ヒューマンスキル
テクニカルスキル
•中途入社者研修
•オンライン商品勉強会
•商品eラーニング
•新入社員研修
•若手社員研修
•オンライン商品勉強会
•商品eラーニング
•中堅社員研修
•初級管理者研修
•新卒教育担当者勉強会
•ハラスメント教育
•オンライン商品勉強会
•商品eラーニング
•初級管理者研修
•中級管理者研修
•ヤマダ・リーダーシップアカデミー
•ハラスメント教育
• 役員・上級管理者研修
•次世代経営幹部研修
•ヤマダ・リーダーシップアカデミー
•ハラスメント教育
専門・特別
新店研修
 
セールスエンジニア育成
     
SDGs教育
 
コンプライアンス研修
自己啓発
自己啓発学習用コンテンツ
社内試験
社内有資格試験(年2回実施)
社外資格
社外資格取得フォロー研修(取得推奨資格)・家電アドバイザー・スマートマスター・スリープアドバイザー など
社内資格
マイスター教育、各種マイスター(テレビ、エアコン、クリーナー、理美容、スマートスピーカー、デジカメ など)

新入社員研修

 新入社員は、オンライン勉強会や学習用コンテンツの配信のほか、実際の商品を使った基礎知識の習得など、ヤマダホールディングスグループの社員として必要なノウハウを学び、配属先での新人研修期間を経て、一人前の社員として活躍していきます。カリキュラムに沿って、週単位でどれくらい学んだかを担当の先輩社員と確認し、入社半年後と1年後にフォローアップ研修を行っています。さらに専用の相談窓口を設け、新入社員が慣れない環境でも続けやすい体制づくりに取り組んでいます。

新入社員研修

新入社員研修

次世代リーダー育成

 ヤマダホールディングスグループでは、企業の持続的な成長のため階層別に次世代リーダー育成に取り組んでいます。異業種交流型の研修に参加し、マネジメントの原理原則の習得やリーダー能力の向上を図っています。学んだ内容は所属長と共有し、取り組み内容の進捗確認を行っています。また、先輩社員を新入社員の育成担当として起用し、教育の手法やモチベーション管理を含めて、勘や経験に頼ることなく後輩の成長を促す役目を果たしてもらうことで、各自のスキル向上にもつなげています。販売実績の上位者には、さらにお客様満足度を高める提案力を身に付けてもらうため、ICT・IoTや最新商品の紹介を含めた学習機会の提供を行っています。

ヤマダ・リーダーシップアカデミー

 ヤマダホールディングスグループでは、社員研修施設「礎生塾」にて、課長以上の社員および営業部長・店長、事業会社の部長職以上の社員を対象に、階層別トップ・ミドルマネジメント研修を行っています。自律型の組織・自律型の人員の育成をテーマに、外部講師を招いてマインド研修やチームビルディング力・マネジメント力の強化などに取り組んでいます。

 また、他部署・他事業会社とのグループディスカッションなどを通じた越境教育にも力を入れています。なお、本研修は経営者視点の習得などを含めてヤマダホールディングスグループの次代を担うトップマネジメント教育という目的も兼ねており、今後も研修内容の充実・拡大を図っていきます。研修は、2年間の育成計画で、2024年3月期までに493名が参加しました。

ヤマダ・リーダーシップアカデミー 研修参加人数

セールスエンジニアの育成

 ヤマダデンキでは、現在483名(2024年3月末時点)のセールスエンジニアが店舗で活躍しており、夏季や年末年始、期末など配送工事件数が増加するシーズンに、家電や家具・インテリアからリフォームまでを含めて提案できるアドバイザー兼技術者として、お客様のくらしをより快適にすることに努めています。

 商品の販売から配送、設置工事を一手に担うセールスエンジニアの育成の一環として、エアコンなどの設置作業を身につけるための実技研修を中心に実施しています。また、セールスエンジニア全体の専門的な能力底上げを図り、社外資格の取得促進にも努めています。年間の育成計画に基づき、専門講師による講義を定期的に実施することで、セールスエンジニアの6割以上が国家資格である第二種電気工事士の資格を取得しています。 採用面では工業系の高校からの採用を強化するほか、国籍・性別問わずセールスエンジニアの育成に注力しています。

社外資格の取得推進

 お客様が家電製品を購入される際に、製品の機能や用途、使用頻度、設置環境や嗜好などさまざまな要素を踏まえた的確なアドバイスを行うためには、社員の家電製品に対する高い専門知識が求められます。ヤマダデンキでは、家電製品アドバイザー※1、スマートマスター※2資格を中心とした社外資格の取得推進に力を入れており、資格取得人数は着実に増加しています。

 また、家具・リフォーム提案に必要なスキルとして、販売士、建築士、インテリアコーディネーターなどの社外資格の取得も積極的に推進しています。社外資格取得は、お客様満足度の向上だけでなく、社員の仕事へのやりがいやモチベーション維持・向上にもつながることから、グループ全体で取り組みを強化しています。

※1 家電の販売・営業・接客のプロとして、お客様の商品選択や使用方法、不具合対応などについて的確にアドバイスするための資格

※2 スマートハウスに関連する知識として、住宅や家電、住宅設備、エネルギーマネジメントまでを幅広く理解し、お客様それぞれのニーズに合ったスマートハウス構築をサポートするための資格

社外資格の取得推進

資格所有者数(各年3月31日現在)

(単位:名)

資格 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期
家電製品アドバイザー 8,956 9,346 9,723
スマートマスター 1,274 1,256 1,297
フォトマスター 1,679 1,613 1,636
販売士1級~3級 1,268 1,011 1,057
1級建築士 227 165 148
2級建築士 727 590 545
1級建築施工管理技士 178 141 132
2級建築施工管理技士 154 150 152
宅地建物取引士 580 556 561
スリーブアドバイザー 595 625 638
インテリアコーディネーター 190 215 299
第二種電気工事士 627 657 811
2級フィナンシャルプランニング技能士 203 129 132
合計 16,658 16,454 17,131

※ ヤマダホールディングスグループの合計延べ人数

接客力の向上

 ヤマダデンキでは、接客力の向上に向け、OJTによる現場教育を中心とした実践的な教育指導を行うとともに、オンライン研修やeラーニングなどを活用した体系的な研修を実施しています。また、サービスの質と精度をさらに高めるため、店舗や配送・アフターサービス時に実施するお客様アンケートや各種ソーシャルメディアを活用し、社員教育に活かしています。さらに、住環境の「くらしまるごと」サービスの充実に向け、リフォーム提案の強化の一環として、研修マニュアルの配布・社員へのインテリア勉強会など職種別の教育の充実にも取り組んでいます。

接客力の向上

学習支援ツールの充実

 ヤマダデンキでは、家電からインテリア、リフォームに至るまで一貫した販売サービスの促進のため、商品知識や販売手法に関する自社専用学習サイト「マイラーニング」を展開しています。また、社員が随時自主的に学べるように、実演やロールプレーイングが中心の動画配信も行っています。そのほか、人権や腐敗防止など社会・環境課題に焦点を当てたコンテンツの充実も図っており、より充実した教育環境づくりに取り組んでいます。

マイラーニングサイト画面

マイラーニングサイト画面

提案力の向上

 お客様へ最適な商品提案をするために、商品知識の習得とともに、お客様のニーズを的確に把握するためのさまざまな取り組みを行っています。より具体的な提案力を身に付けるため、社外講師を招いた店舗での集合研修を行っており、2024年3月期は1,321名の社員が参加しました。

リフォーム提案の強化

 ヤマダデンキでは、お客様のくらしの快適さや利便性の向上につなげるため、リフォーム提案の強化に取り組んでいます。家電だけでなく、水回りや外装、内装、家具まで含めた「くらしまるごと」をコンセプトにした提案を行っています。お客様の住まいに対し、的確なアドバイスが行えるよう各種アドバイザーの育成を推進しています。また、お客様の住まいの増築や改築のニーズにも対応するため、建築士資格を持った社員が適切な提案を行います。

リフォーム提案

配送・工事技術向上

 ヤマダデンキでは、商品の販売のみならず、商品をご購入いただいた後の配送・工事を通じたお客様満足度の向上を目指しています。

CS責任者認定研修

 配送・工事におけるお客様満足の取り組みの標準化を図るため、ヤマダデンキが主宰する「CS責任者認定研修」をパートナー企業各社に毎年受講していただいています。本研修は、ヤマダデンキが定める配送工事に関するお客様満足、マナー、運用、配送、設置、工事に関する基準を、所属する会社の担当者へ教育する責任者を認定するもので、教育研修、グループディスカッション、筆記試験という3つの内容で構成されています。2024年3月期は既存受講者457名を更新しました。パートナー企業各社のCS責任者をヤマダデンキが認定することで、ヤマダデンキと同様の意識の高さでお客様に対応していただくことを目指しています。

お客様アンケート結果にもとづいた研修の実施

 お客様満足度調査として、お客様アンケートを実施しています。アンケートの結果をもとに、協力会社を対象に年4回CS会議を実施し、分析結果に基づいた方針の策定・通知・教育の現場への浸透強化に取り組んでいます。2024年3月期は、オンライン開催に加え対面での実施を再開し、21社が参加しました。

人事・業績評価

人事評価システムの構築

 ヤマダデンキでは、年功序列ではない能力主義を重視し、公正・公平で透明性のある人事評価システムを構築しています。恒常的かつ継続的に社員の接客の質を高め、幅広い商品知識の習得を通じてCS向上を図るべく、必要に応じて評価基準などの見直しを図りながら、公平で透明性のある業績評価制度の構築・運用を目指しています。年2回の人事評価では、各部署の評価指標に沿って設定された個人目標に対し、多段階評価を行い、各社員にフィードバックと来期の目標設定を実施しています。

年間社員表彰制度

 ヤマダホールディングスでは、デンキセグメントを対象に店舗規模別の年間売上の優秀店舗、法人営業所、個人売上などの上位者に対して、毎年表彰を行っています。2024年3月期は優秀店舗賞など9店舗、3営業所と、ベストセールス賞など66名を表彰しました。

ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン

 ヤマダホールディングスグループにとって、最大の経営資源は人材です。ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンをグループの「成長戦略そのもの」と位置付け、多様な人材が活躍できる職場環境の構築を推進します。こうした職場環境に育まれた人材が切磋琢磨し、価値ある商品とサービスを生み出し続けることで、ステークホルダーの皆様とともに持続的に成長していきます。

女性活躍推進

 ヤマダホールディングスグループでは、すべての女性社員が自らの意思と希望に基づき、プライベートとキャリアアップを同時に果たせる職場環境の整備が、さらなる企業成長の基盤になると認識しています。当社グループでは、管理職における女性の割合10%以上を目標に掲げており、2024年3月期で3.6%となりました。今後もより多くの女性が活躍できるよう労働環境の整備などの取り組みを進めます。

女性活躍推進

女性活躍推進法に基づく行動計画(ヤマダホールディングス)

女性活躍推進行動計画

LGBTQ+への理解醸成

 ヤマダホールディングスではLGBTQ+への理解促進を目的として、性的マイノリティに関する基礎知識から職場対応などの研修動画を作成し、自社専用学習サイト「マイラーニング」で公開することで、社員に対して多様性の受容と尊重を推進しています。

障がい者雇用

 ヤマダホールディングスでは、バリアフリーを徹底しており、障がいのある社員が安心して働くことができる環境整備に努めています。配属を決定する際には、本人と面談を行い、それぞれの特性に配慮しながら職種を決定しています。

外国籍社員の登用

ヤマダホールディングスグループでは、多様なお客様への対応強化のため国籍に関する基準を設けない採用を行っています。外国籍社員に対しては日本語検定の資格取得支援を行い、部署や業務を問わず活躍できる環境づくりを行っています。2023年には、生団連(国民生活産業・消費者団体連合会)が定める「外国人の受入れに関する基本指針」に賛同しました。今後も社内人材の多様化を図るとともに優秀な人材の確保を進めていきます。

定年再雇用制

 ヤマダホールディングスでは、63歳の定年後、最大75歳まで勤務できる制度を導入しています。高度な技術や知識を持つシニアの人材が、社員の指導などで活躍しています。

なお、2025年4月より定年年齢を65歳まで延長することを予定しています。

社員に関するデータ(正社員のみ)(各年3月31日現在)

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期
新入社員数(名) 男性 358 573 514
女性 241 303 235
合計 599 876 749
平均勤続年数(年) 12.6 9.9※1 10.4
離職率(%) 6.1 6.4 6.0
障がい者雇用率(%)※2 - 2.3 2.4
定年再雇用者率(%) 89.0 82.3 78.6
外国籍雇用者数(名) 男性 85 108 110
女性 93 105 95
合計 178 213 205

※1 契約社員の正社員への一斉登用を実施したことに伴い、平均勤続年数が短くなりました。
※2 2022年3月期までは雇用人数を開示していましたが、2023年3月期より雇用率の開示へ変更しました。

ワーク・ライフ・バランスの推進

 ヤマダホールディングスグループでは、働きやすい労働環境を実現するには、ワーク・ライフ・バランスに配慮した職場環境の提供が重要であると考えています。社員一人ひとりが育児や介護などのライフイベントに際しても柔軟な働き方を選択できるよう、育児や介護、その他に関する充実した両立制度を整えています。引き続き、社員が安心して働ける職場環境の整備に努め、働きがいのある企業を目指します。

ヤマダホールディングスの主な両立支援制度(2024年4月現在)

項目 制度 内容
育児 産前産後休暇 産前8週間(多胎14週間)、産後8週間
出生時育児休業(産後パパ育休) 子の出生後8週間以内にうち4週間まで取得可能
育児休業制度 子が3歳に達するまで取得可能 (法令では1歳になるまで)
育児短時間勤務制度 子が小学校を卒業する前まで取得可能 (法令では3歳まで)
子の看護休暇 小学校就学の始期に達するまで、傷病にかかった子の世話、又は予防接種や健康診断を受けさせるために看護を必要とする場合、小学校就学前の子が1人の場合は5日、2人以上の場合には10日取得可能
介護 介護休業制度 要介護状態の家族1人につき184日まで取得可能
介護休暇制度 要介護状態の家族1人につき年間5日間、2人以上の場合には、10日取得可能
介護短時間勤務制度 要介護状態の家族1人につき、最長3年まで取得可能
その他 中抜け勤務シフト制度 私事都合により所定の休憩時間を超えて勤務を外れることができる。中抜け前後の勤務時間合計が、所定の労働時間になる範囲で利用可能
生理休暇 女性社員が生理日に、著しく就業に困難な時は請求により休暇を認め、通常賃金を支給する
失効年次有給休暇 積立制度 時効にて消滅した年次有給休暇を最大60日まで積立てることができる。本人から事前の申し出により、年次有給消化後、本人の傷病および不妊治療による欠勤、介護休業規程に定められた対象家族を介護および看護をする場合に利用できる
ふるさと人事制度 総合職として業務にあたる社員は、全国の各拠点へ転勤する場合がある。転勤者については、転勤先で一定期間勤務すると、元の拠点へ戻ることができる
連続休暇 年間で7連休の連続休暇を取得可能
女性労働者が、母子保健法による保健指導又は健康診査を受けるための特別休暇 妊娠23週までは4週間に1回、妊娠24週から35週の間は2週に1回、妊娠36週から出産までは1週間に1回とする
再雇用制度 育児や介護等の事由で退職せざるを得ない社員が職場復帰できる制度(5年以内)

エリア社員制度の導入

 ヤマダデンキでは、転居を伴わないエリア社員制度を運用しています。出産・育児、親の介護など、自らのライフプランや家庭環境に合わせた働き方の選択を可能にした制度となります。2024年3月期は、社員の11.4%が利用しています。

長時間労働の削減

 ヤマダデンキでは、労働関連法の遵守に加え業務効率化と時間外労働の削減を目的とし、終業と始業の間に最低11時間の休息を確保する「勤務間インターバル制度」を運用しています。2024年3月期はグループにおいて長時間労働抑制に向け残業時間を削減した会社割合が70.4%となり、毎期前期比増の目標を達成しました。

長時間労働の削減

物流業界における働き方改革への対応

 ヤマダデンキでは、物流業界における働き方改革に対応するため、さまざまな取り組みを進めています。物流センターでは週休2日を導入したほか、物量に応じて店舗への納品日を調整し、店舗への納品時にカゴ台車やオリコンなどを活用し、1店舗当たりの納品時間を短縮することで、高効率化を図っています。

年次有給休暇取得の推進

 ヤマダホールディングスグループでは、社員全員が働きやすい労働環境の提供の一環として、有給休暇の取得推進に努めています。有休を半日単位で取得可能とするほか、計画有休や公休を含む連続7連休などの制度を通じて、取得率の向上を進めています。

年次有給休暇取得の推進

育児・介護制度

 ヤマダホールディングスでは、男性・女性関係なく、柔軟な働き方ができるよう、育児・介護休業の取得を推進しています。2022年には育児休業に関して、取得に必要な継続勤務期間を1年から3カ月への引き下げや、2回まで分割して取得ができるように制度を見直したほか、出生時育児休業制度を新たに設けました。男性の育児休業取得事例を社内報にて発信し、社員の意識啓発に取り組むなど、取得しやすい環境整備を図っています。

育児・介護制度

対象:ヤマダホールディングス、ヤマダデンキ

制度利用データ(正社員のみ)(各年3月31日現在)

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期
有給休暇取得率(%) 46.2 51.0 59.4
育児休業取得者数 (名) 男性 32 41 89
女性 187 217 175
合計 219 258 264
育児短時間勤務取得者数 (名) 男性 7 9 32
女性 581 628 965
合計 588 637 997
介護休業取得者数 (名) 男性 2 3 6
女性 5 0 6
合計 7 3 12

従業員満足度調査

 ヤマダホールディングスでは、2022年3月期から新たな方式で社員アンケートを行い、調査結果を踏まえた課題設定と施策を実施することで社員の働きがい向上や生産性向上を目指しています。2024年3月期は対象範囲を拡大し、ヤマダホールディングス、ヤマダデンキにグループ会社8社も含めアンケートを行いました。総合満足度が「B」判定であり十分とは言えず、主な課題として、管理職へのキャリア希望や心身の健康などがあげられました。この結果は社内報によりグループ全体で周知徹底されます。来期は、これらの課題に対する取り組みを行い、改善を図ります。

従業員満足度調査

対象: ヤマダホールディングス、ヤマダデンキ、ヤマダファイナンスサービス、シー・アイ・シー、インバースネット、ヤマダホームズ、ヒノキヤグループ、ハウステック、中部日化サービス、日化メンテナンス

健全な労使関係

 ヤマダホールディングスおよびヤマダデンキの労働協約対象者となる社員は労働組合に基本的に全員加入となります。労働組合への加入率は75.7%です。労使間の対話促進のため、毎月1回、労使協議会を開催しています。経営側および組合との情報共有、労働条件に関する課題解決に向けた話し合い、活動の報告などを行っています。

企業型確定拠出年金「CoDeCo」の運用

 ヤマダデンキでは、社員の老後の所得確保と生活の安定に向けた自主的な努力の支援などを目的として、社員限定の企業型確定拠出年金制度「ヤマダのCoDeCo」を運用しています。節税メリットと運用メリットを活用して将来のために積み立てる年金制度です。節税メリットとしては、給与から税金や社会保険料が引かれていますが、「CoDeCo」の掛け金には税金や社会保険料がかかりません。また運用については、現在、定期預金は年間で0.125%程度の利息ですが、「CoDeCo」の利用者は平均4.2%の運用益があり、さらに運用益は非課税となっています。